Advancedのシラバスで見つけた笑える欠陥。

Advancedのシラバス(2007.J02)を学習していて、致命的な欠陥を1点ほど発見した。この欠陥の特性をよく考察してみてほしい。Advancedのシラバスの品質も、Foundationと同様にかなり疑わしいということを端的に表している。前置きが長くなったが、その欠陥を説明しておく。学習者はご注意ください。

Advancedシラバス(2007.J02)のP85の「7.4欠陥フィールド」の説明に「有用な欠陥レポートを書くには、欠陥情報の各フィールドをきちんと記述しましょう」といった旨の記述があり、特に4つの観点として「完全、完結、正確、客観的」であるべきとされている。私は、完全と完結の差異がはっきりしなかったので、原文に当たってみた。すると、衝撃的な、驚きの、こんなのありかというような、とんでもない、ちょっと笑える欠陥だと気付かされた。

原文では「Complete,Concise,Accurate,Objective」となっていた。Conciseは、簡潔・簡明という意味だ。そうです、「簡潔」と「完結」をワープロ変換で間違えたままなのだ。「完全性、簡潔性、正確性、客観性」といった訳が正しいだろう。

Advancedのシラバス(日本語訳)がリリースされてからこれまでの3年間、だれも指摘できなかったのか。JSTQBには、もっと根本的な原因分析を行っていただき、プロセスなり、組織なりを見直した方がいいのではないかと思う。あろうことか、「7.4欠陥フィールド」では、個々の欠陥の解決をはかるためだけでなく、根本原因分析やプロセス改善を目的とするためのフィールドを追加してよい/すべきであることが語られている。この大切な主張の記述の中にあって、この笑える欠陥はどうなんだ。