JSTQB Foundation試験はシラバス2011に対応して変化したか。

先日8/27に行われたJSTQB Foundation試験だが、4月に改訂されたシラバス2011に対応した最初の試験になった。2chtwitterなどの情報をみても、大して伝わってこない。少ない情報のなかで、整理してみる。

シラバス2011の対応状況

ほとんど情報が伝わってこないので、正直なところ、わからない。キーワードとしては、リスク分析レポート、データ品質評価などが問題文や選択肢に登場するようになったらしい。

また行動規範については、Foundationでも出題はされなかったようだ。Advancedでも出題はされていない。そういう位置づけのものだったのか。

タイトルの割に、内容がなくてすみません。リサーチ不足です。

シラバス2011では、テストベースとテスト対象がテストレベルごとに明示されたし、相互運用性テストが機能テストに変更され、テスト戦略とテストアプローチの差異が明確化されたりした。そのあたりが、今回の問題に反映されたかどうかは伝わってこない。相互運用性テストの記述は、シラバスの日本語訳に致命的な欠陥があったため、出題することはできなかっただろうし、テスト戦略とテストアプローチについてもAdvancedとの不整合が残ったままなので、これも出題しにくかったのかもしれない。

問22の出題ミス

問22は明らかに出題ミスだ。機能テストと非機能テストの違いを問う問題だったが、問題文中に「正解、不正解1、不正解2、不正解3」という字面を埋め込んだまま、どれが正解かを選択するようになっていた。どれだけ驚かされたことだろう。おそらく問題作成者が作成した問題を提出されたフォームからコピペして整形するのだろうが、その際にコピペしたものを削除し忘れたのではないだろうか。ただ、問題自体に正解が載っていた訳なので、おそらく全員正解ということで丸く収まるのだろう。

しかし、どれだけレビューされて、それをすり抜けてきたのか。どんな理由があるにせよ、レビュー不足といわれても仕方ない。インスペクションはやったのか。ちゃんと役割とチェックリストを応用しているのか。独立したテストは行ったのか。品質ゲートはどうなっていたのだ。まさか、テスト対象だけでなく、テストウェアに欠陥がある場合もあるということを、自らの試験を以って訴えている訳ではないだろう。JSTQBにおいては、必ず根本原因の分析を行っていただき、再発防止に努めていただきたい。組織的要因、プロセス上の問題に踏み込んで、きちんと対処・改善して欲しい。切なる願いだ。

問30も同様だ。問題作成者が作成した問題をコピペして整形する際にミスしたものと思われる。40問中2問も同じようなミスとははずかしい限りだ。ただ、こちらは、正解が載っているという訳でもないので、問題としては成立するだろう。「引っ掛けなのか」と取られる程度で済んだのでいいだろう。

以前、確か第5回だったか、レビュープロセスの順序を問う問題で選択肢に「-->」の矢印が1つ漏れていたときには、謝罪もあり、全員正解になるということがあった。今回の対応にも注目しています。

[2011/09/02追記]
普通のところは以下のように迅速に対応できています。

東京大学は2日、大学院入試で計2件、出題ミスがあったと発表した。一つは、8月30日にあった工学系研究科修士課程と博士後期課程の入試で、問題文の数式に誤りがあった。受験者計80人のうち、30人がこの問題を選択し解答した。2日に全試験が終了した後、合否への影響がないよう対応を決めるという。出題ミスの影響で正答が複数になる関連設問については、全員を正解にした。
また、23日にあった総合文化研究科入試でも、問題文にある数式が間違っており、解答した4人全員を正解にした。合否には影響しないという。

全国社会保険労務士会連合会は2日、全国各地で8月28日に実施した社労士の国家試験問題に誤りがあった、と発表した。出題ミスがあったのは、計110問の中の一つで、労働者災害補償保険法に関する設問。選択肢五つの中から内容に間違いがあるものを一つだけ選んで回答するようになっているのに、間違いを含む選択肢が二つあったことが、試験後に判明した。二つのうちいずれを選んだ人も正解扱いにし、合格発表も11月中旬のため、合否判定にほとんど影響はないという。