御朱印

実は私は神社仏閣を巡るのが人に言えない趣味なのだ。ゴロがいいので神社仏閣と言ったがほとんど寺院の方である。鎌倉のお寺は95%を制覇した。「95%制覇」は何をもってそういうのかは、またの機会とさせて欲しい。京都奈良は勿論、北京・西安のお寺もかなり訪ねてはいる。また以前住んでいた麻生区では、神社仏閣は勿論、庚申塚やほこらの類まで調べ上げたこともある。

お寺を巡る楽しさを倍増させるためにスタンプラリーというものがある。有名なものなら、七福神巡りや坂東三十三所巡りなどである。お参りしたお寺で「御朱印」をいただき、それをコレクションする訳である。私は100枚近くを収集していると思う。「御朱印」は鎌倉報国寺によると「昔から、経文を書き写し、それをお寺に納めた方々に、その証として、お寺の宝印を押してお渡ししておりました。それが今に続く御朱印の由来です。」とのことだ。

正しい御朱印のいただき方を伝授したいと思う。最近はマナーの悪い方も多いし、初心者には戸惑いもあるだろう。「朱印・御朱印」といわれる印は、お寺や神社の「朱印所・納経所」で用意した「集印帖・納経帖」に「御朱印をお願いします」と言っていただくものだ。では、その正しい手順だ。

御朱印の正しいいただき方

(1) まず、「集印帖」または「納経帖」を購入しておく。\1,000から\2,000くらいだ。たとえば、私が鎌倉円応寺で\1,000購入したものは「集印帖」で表25枚と裏25枚の両面で50の朱印が集められる。表紙には「日々是好日」と書いてある。鎌倉杉本寺にて\1,400で購入した「坂東三十三観音霊場納経帖」は般若心経の刺繍入りの袋綴で「十句観音経」と「摩訶般若波羅蜜多心経」が記載されている。

(2)「集印帖」には、表紙に印鑑を押しておくこと。名字の判りやすい印がいい。判りやすい印の場合「○○さん」と呼ばれるが、判り難い場合「日々是好日の方」などと呼ばれる。※「日々是好日」も「ひびこれこうじつ」または「にちにちこれこうじつ」と読む。来る日も来る日も楽しく平和なよい日が続くという意味だ。住所、氏名も記載しておくこと。

(3) 御朱印は「朱印所」や「納経所」でいただく。大体、(a)拝観券を売っている窓口の脇、(b)本堂の脇、(c)社務所玄関の脇や中などにある。お寺によって場所は異なる。(a)の場合は、拝観券を買い求めて、すぐ御朱印をお願いし、参拝後に受け取る。(b)と(c)は、本来本尊を参拝してから、御朱印をお願いする方がよいのだが、時間の関係で私は、まず「朱印・納経所」をみつけて、すぐ御朱印をお願いする。「しばらく待て」といわれる場合もあるし、「どうぞ御本尊を参拝していらしてください」といわれる場合もある。

御朱印すると思わぬ簡単な解説をしていただいたり、お寺の略記や絵葉書、近辺の地図をいただけたりすることがある。その場合も、御朱印が10枚、20枚と溜まると対応が違ってくる。VIP扱いになるのだ。

(4)「御朱印をお願いします」という。「朱印をお願いします」ではなく「御」をつけたほうがいい。「集印をお願いします」とか「スタンプください」ではよろしくない。お金は、ほとんど受け取る際に支払う。鎌倉\300、京都\500が相場である。いくらですかと問うような真似はしたくない。せいぜい「\300でよろしいですか」だ。鎌倉には\500のお寺が1つだけあった。

(5) 御朱印が何種類か用意されていて、選ぶ場合がある。その場合、集印の目的に合わせたものをいただく。坂東三十三観音や鎌倉三十三観音、鎌倉二十四地蔵尊、鎌倉十三佛、鎌倉江の島七福神などがある。特にその霊場札所巡拝が目的でない場合は、「御本尊でお願いします」という。すると、お寺の本尊である如来、菩薩の名前を書いてもらえる。

(6) お礼を言って、お代(鎌倉\300、京都\500相場)を払って受け取る。必ず、開いてみて、もし読めない文字があったり、意味不明のときは尋ねておくこと。

以上だ。正しい手順かどうかは正直よくわからないが、ベストプラクティスにはなっているはずだ。せっかくなのでいくつかの御朱印の代表的なものをあげておこう。イメージはまたの機会に。

御朱印の例

円応寺        新居山「十全」子そだてえんま
円覚寺        大本山「宝冠釈迦如来円覚寺舎利殿  瑞鹿山「舎利膽禮」
明月院        福源山「如意輪観世音」
建長寺        大本山「南無地蔵尊海蔵寺        扇谷山「南無瑠璃光如来薬王寺        大乗山「南無日蓮大菩薩」一心碩見佛・不自惜身命
浄光明寺     「宝冠阿弥陀如来寿福寺        長太山「南無釈迦佛」
妙隆寺       「寿老尊」
宝戒寺       「佛母準胝尊」
明王院        五大堂「大聖不動明王浄妙寺        稲荷山「聖観世音」
報国寺        かまくら萩の寺「聖観世音」
杉本寺        鎌倉「聖十一面大菩薩」
覚園寺薬師如来瑞泉寺       「大雄宝殿」
来迎寺        西御門「如意輪観世音」
宝戒寺        子育経読「地蔵尊」鎌倉