辞書を読む#2

辞書を読む習慣は小学校5年ころからだ。最初の辞書は小学館の国語辞典だった。初めのうちは辞書の中に僅かだがある挿絵を見つけるのが好きだったようだ。よく覚えているのは「戦車」だった。なにしろ、その挿絵のために先生に呼び出されたのだから。節分のときだった。鬼の面を作れということで、私は「戦争賛成鬼」と書いて、その挿絵をまねて戦車の絵を描いたのだ。私ひとりが浮いていた。それに気づいた先生に即刻、職員室に呼び出されて詰問されたのだ。「お前は戦争に賛成なのか?」と。広島県は原爆やら全人教育やらでうるさかったのだ。「いえ、鬼だから賛成と言ってるだけです」と答えて解放してもらったのを覚えている。

実は今でも辞書の醍醐味の1つは挿絵なのだ。たまに見つける意外なその挿絵がいいのだ。最高傑作なのは、一番のお気に入りなのは、やはり「すたすたぼうず」だ。言葉の音だけでもぞくぞくするが、その挿絵、すたすたぼうずの実体を知れば驚愕すること間違いなし。ぜひお試しあれ。広辞苑でも、大辞林でもですたすたぼうずの絵が出ているはずだ。BookShelfにも出てはいるがこちらはインパクトがない。広辞苑がおすすめだ。

私の中では「古文書」の世界と「すたすたぼうず」の世界はかなりイメージが一致している。実際には数100年違うのかもしれないが。