闘病記

今回の風邪には2週間ほど苦しんだ。高熱と咳が続き、満足に寝れないし、頭痛も出てくる。熱源は喉よりももっと奥の気管支だ。3週間前、娘が保育園からもらってきて、まず娘が苦しんだ。その看病に3日付き合い、完全に感染してしまったのだ。娘は10日ほどで立ち直り保育園に登園できるようになったが、入れ替わりに私に症状が出始めた。※鼻吸いを参照のこと。

熱は最高39.3度まで上がった。4年前に40.5度を記録して点滴を4日受けた経験があるので症状としては大したことではない。抗生剤(ジスロマック)、ムコダインダーゼン、咳止め(麦門冬湯)を飲み続ける。しかし、薬を飲んでから3時間ばかりすると余計に熱が出る症状に苦しむ。以前、解熱鎮痛剤のボンタールでもひどい目にあった。ジスロマックムコダインは定番の薬なので問題ないだろう。初めて処方されたダーゼンと麦門冬湯を2日かけて試してみた。1つの薬のみ抜いてみるのだ。結果はどうもはっきりしないが、ダーゼンが影響していたのかもしれない。

また不眠症にも苦しめられた。39度も熱があるのに眠れないのだ。ベッドの上で1日中ごろごろしながら、取りとめもないことを延々と考えるばかりだ。たとえば「眠ろう眠ろうとする努力は、その努力が忘れ去られたときに初めて報われるんだよな」などと考えるも当然報われもしない。「羊でも数えてやろうか、いやどんな状況であれ大の大人がそんなみっともない真似はできない。では、座禅の要領で空(くう)をイメージすればいいか」と挑んでみても余計に雑念ばかりが飛び交って集中などできない。集中するには健全でないとダメなのかもしれない。なんとか、3日目辺りから自然と眠れるようにはなった。

家では私は完全に隔離病棟で過ごした。子供とも満足に会話させてもらえない。隣の部屋から漏れ聞こえる声のみが励みになった。夕食は、子供二人が風呂に入っている15分間しか与えられない。さっと食べて病棟に戻らないと看守がうるさい。病人といえども、こどもでもないのでおかゆも用意してはもらえない。こんなときに限ってビールでも飲めといわんばかりの、ホタテのバター焼き、鳥のから揚げ、シューマイなどが並ぶのだ。食欲のない私にはひとつも食べれなかった。仕方なく、子供のアンパンマンのふりかけを1時間前にチンされたラップのごはんにかけて、麦茶で流し込んだ。そんな看守でも僅かばかりのやさしさを見せてくれるときもあった。「ビタミンCを摂らないとね」と、いつも殆どこどもしか食べないイチゴを3つも差し出してくれたのだ。そのやさしさが怖くなり、イチゴ1つは看守に差し上げた。

そんなこんなでもなんとか「へのかっぱ、へのかっぱ」と踏ん張り、徐々に症状も治まってきた。わずかに咳が残る程度まで回復した。