雨樋

昨日、友人が拙宅に新築祝いを持ってきてくれた。浅間山が噴火して、自宅が灰に埋もれているかもしれないというのに、わざわざありがたいことだ。

拙宅を案内し、いくつかのこだわったところを解説して回る。意外なところで、私がこだわった部分を1つ紹介しよう。実はそれは「雨樋」なのだ。

常々家の外観を悪くしているのは、雨樋とエアコンの配管だと思っていた。工務店は、雨樋は雨樋屋に任せっきりなのだ。エアコンの取り付けに至っては全くの範囲外、家の引き渡しの後に行うこととなっている。壁に穴を空けたりするのでトラブルが多いのだろう。こんな状況だから、当然、統一感も一貫性もないし、しかも彼らは何もいわなければ一番楽なところに配管しようとするのだ。

家の景観でこだわったのは、隣の社長宅の植木を借景とした斜め前からのパースペクティブだった。その視界では、玄関への2つのアプローチの間に挟まれた壁がよく見える。その壁は、木造3階建てという単調な家の構造の中で、ポイントになるというかアクセントになる部分だったのだ。その壁には手を出すな、余計なものを取り付けるなと工務店には十分に警告していた。

それにも関わらず、サイディングに帯板(2種のサイディングの間に雨水が侵入しないように覆う板)が75cmほど被さっていた。サイディングの取り付けも、工務店は別の業者に頼むのでありえることではあった。サイディングを決定するときも妻と揉めに揉め、やっと押し切った後でのことだったのでショックは大きかった。しかもしかも、そのサイディングの帯板はサイディングのミスを隠すためのものだったのだ。100〜200万のプラスでやり直せるなら剥がしてやり直してくれと要望したのだが、職人が嫌がるとかで、そこは我慢した。毎日チェックしていればよかったのに週末に1日しかチェックできなかったこともあり、仕方がない。

さらなる問題が、例の雨樋の配管なのだ。なんと、こだわりの壁の一番目立つところに配管されているではないか。絶望させられた。雨樋の方は、現場監督(工務店の責任者)も要求を把握していて、伝達がうまくいかなかったことを認めて、無償でやり直してくれることになった。雨樋業者に再依頼してやりなおすまでに3週間くらいあった。その間ずっと、例の雨樋を眺めているとこれでもいいかなという気持ちに萎えてきた。最終的には初志貫徹でやり変えてもらって満足はしている。

写真は、拙宅を参照のこと。写真のパースペクティブからは電線、雨樋やエアコンの配管が目立たないことが分かっていただけるだろうか。