JSTQB Foundation Level試験

先日8/27に「第7回JSTQB Foundation試験」を東高円寺の日科技連(東京会場)で受けてきた。ソフトウェアテスト技能の基礎的な認定試験だ。1時間で40問を解答し、60%の正答で合格のようだ。完全な4択問題でマークシートを塗り潰す形式だ。おそらく合格はしているだろうとは思う。

私にとっては、ISTQBのシラバスは、JSTQBの試験が開始されるよりも以前からコンサルや教材開発で参照していたので、内容は親しみのあるものだった。これまでFoundation試験の存在は知っていたが、受験するまでの必要性も感じずにいたし、またJSTQBメンバに参加している身近な方々がどうも曖昧な方々で、平気でValidationとVerificationを逆に教えられるような状況を見ていたこともあり、レベルが低すぎるのではないかと感じていたのだ。それでも今回は思うところあって受けてみた。試験問題自体も洗練されてきていること、また受験者数も年々増加して人気が出てきているように見えるからだ。

日科技連の会場ではおそらく100人以上は受験者がいただろうか。学生風から私のような結構な齢の人もいた。車椅子の方の受験にも対応していた。さずが日科技連だ。ただ、このような完全な4択問題の形式なら、会場を借りて全国同時に実施する意図がよくわからない。プロメトリックのように適当なPC環境で随時受験できる方が便利だし、そちらの方がトータルにコストがかからないはずだ。

試験自体は、IT関係でもっとも簡単な試験の部類といえるだろう。業務でソフトウェア開発に関わって、単体テスト結合テストシステムテスト、受け入れテストをひととおり経験したことがあれば、ほとんど一般常識的な知識で解答できるはずだ。以前、ITIL V3 Foundationの試験も簡単だとは思ったが、今回はそれ以上に簡単だった。ちなみにJSTQBでは、単体テストコンポーネントテスト、結合テスト=統合テストと呼んでいたり、エラー・欠陥・故障などの用語はSWEBOKやITILとも違うので、その差異だけは受験用にきちんと覚え込んでおく必要はある。

学習は、以下の本と無料試験のみだ。


 ■ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation(翔泳社
 ■dentakurou氏の「無料テスト技術認定試験
JSTQBのまともなテキストはシラバスを除いて、上記の翔泳社の教科書しかないのだろう。試験会場で直前まで本を眺めている方々が多々あったが、すべての人がその翔泳社の本であった。受験者はほぼ購入しているのだろう。

どんな問題があったか思い出してみる。3日が経過していることもあり、意外と思い出せない。結構シラバスを網羅的に出題されていたのだろうが、アプローチの分類、テスト技法の種類、テスト支援ツールの分類やら呼称といったものの問題が多いように感じた。これらの分類やら呼称にはなかなか興味が湧かなかったので、覚えきれておらず誤答した可能性は高い。


 ■テスト設計のアプローチ(予防的・対処的・・・)
 ■テスト技法の種類
   ■ディシジョンテーブルテスト
   ■ユースケーステスト
   ■確認テスト
   ■保守テスト
   ■非機能テスト
 ■テスト支援ツールの分類
 ■レビューの種類、モデレータ・レビューアなどの責務
 ■テストの一般原則
 ■テストベースにならないもの
 ■テストケースに記述するもの
 ■フォールトと故障の定義
 ■テストの目的
 ■テストサマリーレポートの記述内容
 ■テストツール導入での留意事項
いろいろな開発方法論やプロセスを無視して/横断的に語られているのでいろんなアプローチや技法やツールが乱れ咲きなのだ。それらを静的/動的、ブラックボックス/ホワイトボックス、仕様/構造/経験、確認/回帰などなどとさまざまな角度で捉えて呼称できないといけないのだ。考えさせられる問題としては、以下のものがあった。

 ■インシデントレポートに追加すべき項目は
 ■同値分割で得られるテストケース数は(動物園の入園料)
 ■ディシジョンカバレッジに必要な入力データは
これらの類似問題は、翔泳社の教科書でも取り上げられてはいたので、この本は実際の試験問題との整合性は結構あると評価できる。ただ、今回の同値分割の問題は、自信をもって正答の自信がなかった。わからなかったのだ。問題が適切なのか?

欠陥追跡(トレーサビリティ)や欠陥分析/根源的原因分析などに言及した問題がなく物足りなかった。軽視されているのか、アドバンスレベルに残しておきたかったのかは不明だ。