てーげー

「若ボケ」の90%は、生活習慣からだそうだ。毎日、長時間も同じ事/仕事をして他のことを考える余裕がないと、脳の一部が萎えてしまうのだ。単調な仕事を長らく続けて、発想的なものもなく、新鮮な刺激もなくなってくると、脳は実際には働いていないにもかかわらず、仕事だけはこなせるようになる。前脳前野は、左脳右脳の刺激を受けて判断するのだが、一方の刺激だけに偏っていると他方がうまく機能しなくなってしまう。つまり、ボケになるのだ。左脳は計算や言語などを処理し、右脳は音楽や感情などを理解/制御する。

実は、私もだんだんボケてきているのは間違いない。人の名前を呼び間違えたり、よく顔を合わせている人の名前が咄嗟に思い出せなくなって、恥を掻くこともある。もう十分な年寄りだ。年寄りを見ていると、いつも「このじいさん・ばあさんは一体どんな人生だったんだろう。ここまで生きてきたことだけでも大したもんだ」というような感想を持っていたが、その対象に近いのだ。

そんな年寄りの発言にもすごいものがあった。紹介しよう。金さんだったか銀さんだったか、「わしゃあ、3億積まれても脱がん」と言ったそうだ。昔、電車の吊り広告で読んだことがある。凄過ぎる。お金じゃないのだ。

また、当時の長寿記録保持者で120歳で亡くなった泉重千代さんというおじいちゃんが「どんな女性がお好みですか」というインタビューに「わしゃあ、年上の女がええなあ」と答えたらしい。おらん。これも凄い。ギャグだけでは申し訳ないので後1つ。泉重千代さんは「てーげー」(無理するな、くよくよするな)という言葉が好きだったらしい。

「てーげー」は私の座右の銘「へのかっぱ」とほぼ同義だ。また「てーげー」は「ぎゃーてい(羯諦)」にも似ていて響きがいい。「羯諦」は、サンスクリット「karma」の音写語で「業(ごう)」とか「行為」と訳される。「さあ行こう、さあやろう」という気合を入れるための言葉だろうと思う。