要求の生成源≠要求元

要求の生成源について考えてみた。SWEBOKなどで提示のように「要求の生成源」には目標、ドメイン知識、利害関係者、運用環境、組織環境などがある。一方、抽出された要求は「要求元」といった要求属性でクラス分けは行いたい。どうも市販本やネット情報では、要求の生成源=要求元といったニュアンスで語られているが、これでは理解しにくい。

要求が生み出される源泉のことを「要求の生成源」という。要求の生成源ではさまざまなタイプの要求がふつふつと湧き上がっているのだ。要求を抽出するにあたっては、要求の生成源を網羅的に把握しておく必要がある。そのため、生成源(源泉)はどこにあるかを特定し、どんなタイプの要求が湧き上がっているかを把握しておくのだ。

生成源(源泉)で湧き上がった要求は、特定の噴出し口からしか得ることはできない。それが「要求元/要求の出所」なのだ。要求の生成源(源泉)と要求の要求元(噴出し口)を関連づけることで、抽出された要求の根拠がどこにあるのかを裏づけることができる。さらに特定した要求元/要求の出所から、最適な技法で要求を獲得する必要があり、要求の生成源→要求元/要求の出所→要求抽出技法のように関連づけが行える。

利害関係者は生成源であり、その代表者が要求元となる。また、RFPや提案書は目標やドメイン知識(業務知識)などの生成源から湧き上がった情報を含んでおり、開発者が入手したRFPや提案書が要求の出所となる。

パッケージソフトの開発のように実際に製品を利用する利用者が外部にいる場合、市場のニーズを分析する営業部門やマーケティング部門が主要な利害関係者となる。この場合、市場のニーズ自体は一般の利用者で湧き上がっているが、営業やマーケティング部門の代表者や統計資料を直接の出所としてニーズは引き出されると理解するとよい。