BABOK2.0日本語版が届いた

tacohachi2009-12-17


BABOK2.0日本語版が届いた。先日、dentakurouさんの記事でBABOK2.0日本語版が発売されたと知って、すぐに発注した。2日で手元に届いたので、対応は早い。当初、夏(8月)には発売されると言われながら、IIBA本部との権利関係の調整が捗らずに発売が延び延びになっていたようだ。

IIBAの会員は\5,400で、一般の非会員は\6,000だ。A4サイズで230ページ程度。私のような老眼には読みやすいが、内容的には物足りない感じがする。余白も多く、いろいろ書き込むにはいいかもしれない。こうあるべきということが体系的に網羅されてはいるのだろうが、失敗事例や成功の具体例が示されている訳でもなく、アウトプットの作業成果物の具体例が提示されている訳でもない。わずかにテクニックの章に、UMLの基本的なダイアグラムの紹介があり、そのほかではDFD、ディシジョンツリー、魚の骨、SWOTの絵がある程度だ。基本的な記法の説明に過ぎず、これを見て使いこなせる訳でもない。私には、IIBAはビジネスアナリシスの枠組みを提示したので、自分たちの行っているビジネス分析なり、要求開発なりのプロセスをマッピングしてみて、網羅性や適合性をチェックしてみたらどうだ、と言っているように思えた。そういった本だ。

話は変わるが、IIBA本部の動きとして「IIBA本部は2010年からPMIとの協業を行う合意ができた。現行のPMBOKとBABOKでは重なり合う部分があり、プロジェクトを成功に導くためにPMBOKとBABOKが連携していくべきかを模索していく」と発表したそうだ。PMPとCBAPはロールが異なるが、いくつか重複する責務やプロセスがある。なんとか住み分けて共存したいという意向だろう。

むしろ、日本ではPMPよりもBABOKはITCとの重複が大きいと思われる。IIBA日本支部は日本語版を出版するだけでさえ本部との調整が難しい状況のようだから、とてもITCとIIBA日本支部の連携などできないかもしれない。