CentOS 6.0のVPSサーバ構築/(1) VNCサーバの設定

自宅のサーバもバックアップが不安だし、そろそろHDDも壊れそうな予感もある。先日、前会社で同僚の古川さんに会う機会があり、VPSサービスを薦められた。そこで、VPSサービスをちょっと調べ、GMO社のクラウドVPSというものを申し込んだのだ。「さくらVPS」と「GMO VPS」のどちらにしようかと悩んだが、古川さんも使っているという実績のあるGMOを選択した。ネット上ではさくらVPSの情報しかないが、似たようなものだろう。
  (1) VNCサーバの設定
  (2) DNSサーバの設定とDropboxの設定
  (3) メールサーバの設定
  (4) WEBサーバの設定

GMOクラウドVPSを申し込んだ

申し込んだプランは「GMOクラウド VPS/スモールプラン/CentOS 6.0 Java開発パック x64」というものだ。とりあえず、6ヶ月間とした。ドメインは自前のものがあるので、料金は安くて済む。初期費用3,980円、スモールプラン2,280円*6ヶ月だが、締め切りを過ぎたキャンペーンコードを見つけて、ダメもとでペーストして申し込んだら、なんと有効だったみたいで初期費用が免除された。13,680円で6ヶ月間利用できる。うまく利用でき、問題なさそうなら、年単位で延長の予定だ。1ヶ月のみの申し込みも可能だったが、そんなにすんなり行くとも思えず、6ヶ月にしておいた。(※1年間契約だと月々の額が1,980円だった。)
スモールプランは、ディスク200GB、メモリ4GB、4コアだそうだ。LinuxのOSやJavaなどのオプションが無料でプリインストールされ、IPアドレスとrootのパスワードが通知される。VPSポータルのサイトからOSの起動/停止ができ、コンソールが利用できるということだった。VPSポータルのアカウントは申し込みの直後に自動返信されている。
申し込みは深夜だったが、朝には入金の案内メールが届いていた。一応、人が申し込み内容を審査しているようではある。9:00にネットから銀行振込みした。念のため「振込みしました」旨のメールをサポートセンタに出しておいた。サーバが利用可能になるまでに何日、何時間かかるのかの情報の記載がなく、不安だったが、VPSポータルのマイページには申し込みから手続き完了までの流れがリアルタイムで示されていた。進捗が20段階くらいで見える。ほどなく「入金を確認した」旨の自動返信メールが届いてから、手続き完了つまりサーバー設定完了までは2時間ほどであった。その間、CentOSの学習をしながら待ち続けた。11:30には、サーバーのIPアドレス、rootのパスワード、DNSサーバーの情報が通知されてきた。
OSの選択とオプションの選択ではちょっと悩んだ。自宅サーバFedoraなのだが、Fedoraという選択肢はなかった。仕方ないのでCentOSの最新6.0を選択した訳だ。CentOSは使ったこともない。Fedoraには近いだろうという程度の知識だ。

CentOS 6.0のサーバに接続できた

VPSポータルのページから、サーバーのステータスを参照したり、起動が可能になった。まずは、サーバーの起動、コンソールからの接続だ。コンソールからリモートでログインできたとき、やっと安心した。ネット情報をたよりに、rootのパスワード変更などを行う。


> passwd // rootパスワード変更
> /sbin/ifconfig // IPアドレスなどの確認
> uname -a
> route -n
> df -h
> vi /etc/ssh/sshd_config
#PermitRootLogin yes
PermitRootLogin no // rootで直接ログインできないように。suは有効。
> adduser // 作業用アカウントを作成。次回からはこれでログイン。
> passwd
> id root
> id
> vi /etc/aliases
あれ、viでEscキーが効かない。VPSポータルのコンソールではviが利用できないようだ。仕方ないのでteratermをダウンロードしてきて、teratermから利用することにした。指定のIPアドレスとrootのアカウントで接続できる。でも端末コンソール1つだけでは不便でしかたない。何かないかとネットで探し、VNCサーバを入れることにした。実は、VMWareも調べてみたが、コンパイルも必要そうで私の実力ではハードルが高そうだった。

VNCサーバをインストールしてみた

VNCサーバを導入すればWindowsからリモートでCentOSのデスクトップが利用できる。まず試しに、自宅サーバーにVNCサーバー(tigerVNC-server)を入れ、Windows側にRealVNCを入れてみた。かなり苦戦させられた。


> yum install tigervnc-server // yumの設定は後述
> vncserver
xxx.xxx.xxx.xxx:1 (user) // この番号とユーザーがvncserversに登録されていること。
// :1は、ポート番号5901に対応
> vncserver -kill :2 // 失敗するといくつもインクリメントされるようだ。
> vncserver -kill :1 // killしてから上記のvncserverを実行すること
> vi /etc/sysconfig/vncservers
VNCSERVERS="1:user" // ここに登録されている必要がある
VNCSERVERARGS=[1]="-geometry 1024x768"
> chkconfig --add vncserver
> chkconfig vncserver on
> chkconfig --list
> vncpasswd
自宅のルータでポート番号5900〜5905までを通過できるようにしておく必要がある。空けておいた。上記のように「:1」番であれば、ポートは5900をプラスした5901になるそうだ。Windows側のVNCクライアントでは、「xxx.xxx.xxx.xxx:5901」として接続する。「xxx.xxx.xxx.xxx:1」ではない。設定したアカウントとパスワードを指定する。RealVNCでは、デフォルトではreadonlyになっているので、拡張設定でInput=enabledにすること。またConnection=use MS IE Proxy setting にしないと接続できなかった。自宅サーバでうまくいったので、VPSサーバでも同じように設定する。VPSサーバでも難なく、VNCで画面が開いた。

デスクトップがインストールされていない

しかし、まっくろ画面であり、1つのアイコンもメニューバーもない。ネットでいろいろ調べて、CentOSの標準インストールは「Minimal」というパッケージで、GUIを含んでいない、つまりデスクトップはインストールされていないことを知った。よく見れば、日本語も入っていない。「CentOS 6.0 Java開発パック」ということでJavaEclipseまでプリインストールしているくせにGUIに関するものは何も入っていないのだ。幸いにもFedora自宅サーバーがあるので、それと比較しながら、似たようなものを徐々にインストールすることになる。自宅サーバならCD-Romからインストールし直せばいいだけだが、リモートのVPSだと、それができないので苦労する。昨日はここまで。
またDNSサーバーを設定していないためか原因が不明だが、名前が解決できずに、yumでinstallできなくなっていた。以下のように理研ミラーサイト(ftp.riken.jp)のIPアドレスを直接埋め込んで、暫定でyumが機能するようにした。まずはデスクトップと日本語関係のものをインストールしてみた。今日の作業だ。


> vi /etc/yum.repos.d/CentOS-Base.repo //
baseurl=ftp://134.160.38.1/linux/centos/$releasever/os/$basearch/
# 参照先に直接IPアドレスを埋め込んだ。
    # yumが正常なら、この対応は不要。
> yum grouplist
> yum groupinstall "デスクトップ"
> yum groupinstall "グラフィカル管理ツール"
> yum groupinstall "入力メソッド"
> yum groupinstall "Japanese Support"
> yum update
> vi /etc/sysconfig/i18n
LANG="ja_JP.UTF-8"   # en_US --> ja_JPに変更
SYSFONT="latarcyrheb-sun16"
> shutdown -r now
リブートして、再度teratermで接続し、vncserverを起動する。vncserverもサービスに登録しておかないと、毎回起動が必要になる。そしてRealVNCのクライアントから接続を試みる。なんとか、見慣れたGNOMEのデスクトップがリモートで操作できるようになった。「Minimal」では足らないものを徐々にインストールしている。GUIなしの端末コンソールだけで、皆、よく作業しているな。実態はどうなんだろう。GUIなしでEclipseは使えるのか。

今後の予定

まだいろいろとおかしいところがあるが、まずはDNSサーバーの設定を目指そう。IMEの設定もおかしいのか、日本語を表示はできても入力ができないままだ。まだFireFoxも使えていない。これからも楽しめそうだ。13,680円でいいおもちゃを買った感じだ。自宅サーバは3年前に5万円で買ったものだが、VPSの方が安価で安心かもしれない。パフォーマンス的には問題ないし、バックアップの心配もない。Dropboxでファイルを受け渡しすれば、WinSCPも使わなくて済みそうだ。あと何日かかるかわからないが、自宅サーバ上のサービスをVPSサーバに完全に移行させたいな。