テスティング基礎コースなど
最近、なかなか「はてなブログ」に書けていない。Facebookに忙しくなってしまっている。Facebookにアカウントのある方は「http://www.facebook.com/tacohachi」を参照いただきたい。テスティング基礎コース(JSTQB Foundation試験対応)に関して、いくつか書いておこう。
第13回 JSTQB Foundation試験(テスティング基礎コースの利用状況)
テスティング基礎コースは、試験が近づくにつれ、利用者も増えている。半年に1回のJSTQB Foundation試験では、毎回100人くらいの方に利用いただいている。ゲスト利用者を含めると、その1.5倍と推測される。100人といっても、徹底コースを利用される人もあれば、1回演習をおこなっただけで以後は音沙汰のない人もある。それでも、JSTQB Foundation試験の受験者の10%〜20%の人が少なからず、利用してくれていると思われる。市販の教科書本は、おそらく受験者のシェアの80%以上だと推測されるので、本サービスが太刀打ちできるものではない。
サービスを公開して、今回で4回目の試験に臨むことになる。最近は、テスト会社に所属する方の申し込みが非常に多い。JSTQBの取得を義務付けているところが増えたのかもしれない。受験者が合格したかどうか、それが本サービスの効果なのかどうかの集計はなかなかできない。「合格しました」と自己申告していただける方は少数である。テスティング基礎コースは合格保証を付与している。95%の模擬問題をクリアされた方が、万一試験で不合格であった場合にコース利用料を返金するものだ。ちなみに過去に「不合格でした」という明示的な報告は2件ある。コースを利用しても合格しないこともあるということだ。提供する模擬問題は有限であり、たかだか430問ほどだ。単純な4択問題でもあり、通常の人は、1回誤答すれば、次回の出題では正答の選択肢を覚えていてそれを選択できる。回答に躊躇しているか、まぐれ当たりでないかとかいろいろと工夫はしているが、難しい。
第2回 JSTQB Advanced試験(テストマネージャ試験)
昨年夏に、第1回JSTQB Advanced試験(テストマネージャ試験)が行われて、今年は第2回試験が行われるものと思いきや、半年延期され、次回試験は2013年2月になるようだ。おそらく、テストマネージャのみでありテストアナリストの試験はさらに先になるのではないだろうか。1年半も間が空けられた理由は、前回試験の異常なまでの合格率(80%ほど)に対する見直しだろうと思われる。テストアナリスト試験のための準備とは思えない。「JSTQB ALの合格率が異常に高い理由」を参照。
当方のサービスでは有効期限を1年間に設定していたが、コースを申し込んでも1回も受験のチャンスがない方が現れてきて、手作業で有効期限を延長する作業を行う必要が出てきた。一方、コースを充実させるための猶予期間があるので助かってはいる。
JSTQB認定書の再交付が行われている
いろいろな場面でレビュー不足、レビューしない体質が取りざたされているJSTQBであるが、用語集の修正や、スペルミスのあった認定書を修正して再交付するといったことをはじめたようだ。認定書のスペルミスは昨年夏の試験の合格者に対してのものにあったようだ。「Advancedの認定書にスペルミスが発覚」を参照。最初の送付から8ヶ月を経過してやっと、修正版が再送付されてきた。放置して、やりすごすつもりだろうと思っていたが、改善の意志は残っていることに安堵させられる。修正は以下の2ヶ所のようだ。
(1)certificaiton →certification
(2)ISTQB Certified Tester →ISTQB Certified
上が問題のスペルミス。下はこれまでのFoundation用だったものを、Advancedにも再利用するために変更したようだ。
用語集の改訂は、まだまだ十分ではない。つまらないこだわりのみ(basedをベースドとしたいなど)を露呈する改訂であり、本質的な辞書としての整合性・一貫性は、まったく十分ではないままだ。これはまた別途指摘したい。
第12回FL試験の受験者数は極端に少ないのか。
当方のテスティング基礎コースをどのくらいの人が利用したのか、昨年夏のJSTQB第11回FL試験の受験者数と試験直前までにサービスを利用した人数をもとに算出してみた。
第11回FL試験では、アカウント登録して利用いただいた方(一定以上の演習を行った方)が150人ほどだったので、受験者数1,134人で割ると、13%となる。またゲスト利用者はメンバ利用者の1/3の演習数であることが集計結果から分かっているので、ゲストも考慮するとちょうど20%となる。つまり、JSTQB FL試験の受験者の20%の方にサービスを利用していただいたことになる。おそらく、教科書本の利用はシェア90%以上と思われるので、それに比肩するにはまだまだ及ばない。せめて、受験者の50%の方々に利用してもらえるように充実にがんばりたい。
しかし、3週間後に控えた第12回FL試験に向けては、サービスの利用者に伸びがない。サービスを開始して1年ほどなので2月試験の傾向が把握できていないこともあるのだが、もしかしたら、今回の第12回FL試験の受験者数が極端に少ないということではないかいう懸念がある。ここ数年のデータからの単純な予測では、受験者数は800人程度である。それよりもかなり少ないという状況なのかもしれない。夏の試験結果でFLの合格率が低く、ALの合格率が異常に高かった反動も出てきているはずだ。(※勝手な予測です。1,000人近く受験されるかもしれません。)
ちなみに、昨年夏の第1回AL試験(テストマネージャ試験)では、同様に計算して、メンバ利用者30人に対して受験者数278人だったので、シェアは11%となる。その程度だ。ALのコースは無料で公開している問題数も少ないため、ゲスト利用は含めて計算しても意味がないだろう。これも今年の夏に向けてコースの充実にがんばりたい。
第12回Foundation試験(2012/02/18)に対応した模擬問題428問を公開中。
当方で提供しているスクエアリングサービスについて、少し紹介させていただきます。JSTQB FL 試験に対応したテスティング基礎コースを充実させました。第12回Foundation試験(2012/02/18)に対応して428問を提供しています。以下から詳細を参照し、ぜひご利用をいただけたらと思います。
今年4月にシラバス2011に改訂され、そのシラバスで実施された前回の第11回試験をリサーチし、結果を反映させています。従来公開していた模擬問題に30問を追加し、20問ほどを改訂しています。有料コースは3,980円とお値段は据え置きです。合格保証付きですのでご安心ください。万一、不合格の場合には、コース利用料を返金します。無料でも132問を公開しており、これだけでもかなり試験に臨むには有効です。まずはお試しください。
なお、本コースは、ソフトウェアエンジニアリングに基づき、ソフトウェアテスティングの基礎を体系的に学習するコースとなっていますので、JSTQB FL 試験の合格を目標としただけのものではありません。勘違いなさらないようにお願いします。JSTQB FL 試験の合格だけが目的の方は、JSTQBのシラバスと市販の教科書本で学習されることをお勧めします。本コースは、正しいソフトウェアテスティングの知識を獲得することを目的としています。そのおまけとしてJSTQB FL 試験に合格できる実力が身につきます。両方の目的が達成できるように、効率的・継続的に学習できるようにと工夫してはいます。ですが、若干、まわりくどい学習と捉えられるかもしれません。何がまわりくどいかというと、間違った記述を間違いとして理解し、試験では間違った選択肢を割り切って選択できる能力が身につくといったことです。FLシラバスの不備を補い、ALシラバスや関連する標準との整合性を考慮してコースを構成しています。用語集も独自に充実させています。
コースを集中して学習される方ですと、4日間くらい(10〜20時間くらい)で合格保証を獲得されます。第10回と第11回試験では合わせて200人以上の方に利用いただきました。特に、多くのテスト会社様において有効に利用いただいています。最近では大学生の方の利用も多くなっています。実際の合否の回答をいただいていないので、合格率は集計できていませんが、まだ返金の要望をいただいたことはありません。数人の方には合格のレポートもいただいています。コース紹介のページから利用者の声を参照ください。
サービスの休止など
年末年始の予定ですが、2011/12/30〜2012/01/02は休暇のため、イータコース(有料コース)の申し込みは休止させていただきます。サービスは継続して利用可能です。また、試験前の2012/02/15 00:00〜2012/02/17 24:00までの3日間(72時間)は、アカウント登録およびイータコース(有料コース)の申し込みは休止させていただく予定です。この期間は、特にサーバー負荷が増大するため、また3日間の学習だけでは合格保証できるレベルまで到達できないと考えているためです。ぜひ、早めに学習に取り組まれることをお願いします。
テスティング中級コース
Advanced試験に対応したコース(テスティング中級コース)は、現在、鋭意、改訂中です。次回試験の開催は、まだアナウンスされていませんが、2012年夏になるのでしょう。改訂作業が終わるまで、いましばらくお待ちください。
Advancedの認定書にスペルミスが発覚。
JSTQBのAdvanced Level認定書にスペルミスのあることが見つかった。Twitterで話題になっている。確認してみると、Foundationの方は問題ないようで、Advancedだけの欠陥のようだ。いろんなところでレビュー不足が指摘されているが、こんなところにまで。
たかだかスペルミスではあるが、認定元を示す正式名称の間違いなのだ。このような認定書は有効なのだろうか、再発行してもらえるものなのだろうか。
この前JSTQBの認定書届いたけど、英単語の綴りが間違ってる!
(きっと他の人の認定書も間違っているはず)
JSTQBのQの部分のスペルが「Qualificaitons」ってなってる。(iとtが逆)
よいモノが売れるのではなく、買いたいモノが売れるとは。
買物について調べてみた。「買物欲マーケティング」という本をAmazonで480円で売っていたので購入して読んでみただけだ。そこでは「よいモノが売れるのではなく、買物したいモノが売れる」と言っていた。昔は、作れば売れた(プロダクトアウト)時代があり、それがよいモノでないと売れない(マーケットイン)の時代へと進んだ。そして、今ではよいモノでも売れない時代になった。何が売れるのか。買物したいモノが売れ、買物したくないモノは売れない。ショッパーインの時代だ。よいモノという視点から買物したいモノという視点にシフトしてきているのだ。「モノ欲」から「買物欲」へのシフトだ。以前は、モノを安く手に入れることが目的だったが、今は買物自体が目的になってきて、主役が買物で結果がモノといってもいい。モノからプロセスへ、モノに対する満足度よりも、買物という行為の満足度へのシフトだ。
シフトといっても勿論、完全なシフトではない。買物=買物欲+モノ欲、と捉えられている。近年、モノ欲よりも買物欲の割合が非常に大きくなってきたことを示している訳だ。お客は、モノそのものだけでなく、モノを手に入れる前のプロセスに楽しみを見出している。そのことを忘れると、モノは売れないことを提示している。「買物したいをつくり出し、買い手とモノの出会いをつくり、そのモノの魅力に気づかせ、そのモノが欲しいをつくりだす」ことだ。「モノが欲しい」と思わせる前にやるべきことが一杯ある。
モノ欲とは、モノに対する欲求であり、AIDMA(Attention, Interrest, Desire, Memory, Action)で表現される。モノを知り、理解し、好きになり、欲しくなり、手に入れる流れだ。買物欲とは、買物自体の体験に対する欲求であり、買物という体験の品質に対する満足度を求めることである。買物欲は、モノとの出会いのインプレッション、プロセスの良さ、決定の瞬間の感動などで計れる。モノの性能は「使う」プロセスでの性能であるが、買物欲は「買う」プロセスでの性能に左右される。買物欲を満たさなければ「買う」行動には至らない。
単に消費者(consumer)として捉えるのではなく、消費者は買物客(shopper)-->購入者(parchaser)-->使用者(user)の3段階で変貌するものとして捉える必要がある。買物には無意識の行動が多い。商品を買ってしばらく経ってすでにその商品の使用者と変貌している段階では、いくら巧みに聞き出そうとしても買物客としての自分の意識・行動をリアルに正確に振り返ることはできない。モノの使用者をヒアリングするのではなく、第3者的に頭で考えるのでもなく、現場において買物客が感じた気持ちを読み取ることが必要だ。と語られていた。
ソフトウェアやサービスに当てはめてみる。不特定多数の利用者を想定した、競合の多いパッケージ製品やサービスには勿論、あてはまるだろう。製品やサービスをさらに売ろうして、いくら製品を購入した人やサービスを申し込んだ人にヒアリングしてもダメなのかもしれない。サイトのトップページから直帰した人、申し込みフォームの途中で操作をやめた人を含めて、買物客(shopper)や購入者(parchaser)である段階でのリサーチが重要となる。また、製品やサービスの素晴らしいスペックをいくら語ってもダメということだ。モノ欲だけでなく、買物欲をそそるような工夫を怠ってはいけないし、むしろ重視しなければならない。
2012/02はAL試験は行わないということか。
JSTQBのHPに「第12回Foundation Level試験」を2012/02/18に実施するとして昨日から受付を開始したとある。当方の基礎コースも改訂を急がないといけない。教科書本の改訂版(第3版)も数日前に出ているようだし、なんとか対抗できるものに仕上げたい。
一方、Advanced試験の方はHP上では「未定」のまま放置されている。おそらく来春は、テストマネージャ試験も他のテストアナリスト試験も行わないということだろう。ちょっと残念ではある。JSTQBもいろんな課題を抱えているはずだから、仕方がないか。来夏(2012/08)には第2回テストマネージャ試験が行われるのだろうが、ロードマップくらいは中期的なものを公開してほしい。「未定」のまま放置では、半年ごとに場当たり的に開催を決めているように見えてしまう。せめて「2012/08予定」くらいの表現にしておくべきだと思う。
BABOKのアジャイル版「Agile Extension to the BABOK Guide」が公開された。
昨日、BABOKのアジャイル版「Agile Extension to the BABOK Guide」が公開されたようだ。ドラフトだが、いまなら以下からフリーでPDFをダウンロードできる。
http://iiba.info/AgileExtension
昨年、最初に「Agile BABOK Extension」が公開された時はわずか24ページだったが、今回は128ページほどに増えている。比較するなら「Agile BABOK Extensionというドキュメントが届いた」を参照のこと。「Agile Extension to the BABOK Guide」の目次のみを以下に挙げておく。私もまだ、目次しかみていない。
+-- 1 はじめに
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| +-- 1.1 「Agile Extension to the BABOK Guide」とは
| +-- 1.2 BAでのアジャイルとは
| +-- 1.3 ビジネスアナリストにとってのアジャイルとは
| +-- 1.4 アジャイルでBAを成功させるには
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+-- 2 アジャイルライフサイクルでのBA
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| +-- 2.1 ■Scrum
| | +-- Backlogs
| | +-- Sprint Planning and Execution
| | +-- Roles and Responsibilities
| | +-- Business Analysis in Scrum
| | +-- Techniques
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| +-- 2.2 ■Extreme Programming (XP)
| | +-- User Stories
| | +-- Release Planning and Execution
| | +-- Roles and Responsibilities
| | +-- Business Analysis in XP
| | +-- Techniques
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| +-- 2.3 ■Kanban
| | +-- Queues
| | +-- The Kanban Board
| | +-- Roles & Responsibilities
| | +-- Business Analysis in Kanban
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| +-- 2.4 Comparison of Agile Life-cycles
| | +-- Selecting an Agile Methodology or Framework
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| +-- 2.5 Agile Levels of Planning
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+-- 3 知識領域
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| +-- 3.1 Mapping Techniques to Knowledge Areas
| +-- ■Business Analysis Planning and Monitoring
| +-- ■Elicitation
| +-- ■Requirements Management and Communication
| +-- ■Enterprise Analysis
| +-- ■Requirements Analysis
| +-- ■Solution Assessment and Validation
| +-- Business Analysis Techniques Mapped to Agile Business Analysis Guidelines
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+-- 4 技法
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| +-- 4.1 アジャイルBAのコンテキスト
| +-- 4.2 アジャイルBAのガイドライン
| +-- 4.3 アジャイル技法での注意点
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| +-- 4.4 全体把握(See The Whole)
| | +-- Business Capability Analysis
| | +-- Personas
| | +-- Value Stream Mapping
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| +-- 4.5 顧客思考(Think as a Customer)
| | +-- Story Elaboration
| | +-- Story Mapping
| | +-- User Story
| | +-- Storyboarding
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| +-- 4.6 価値分析(Analyze to Determine What is Valuable)
| | +-- ビジネス価値定義(Business Value Definition)
| | +-- 狩野分析(Kano Analysis)
| | +-- MoSCoWの優先順位付け(MoSCoW Prioritization)
| | +-- Purpose Alignment Model
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| +-- 4.7 Get Real Using Examples
| | +-- Behaviour Driven Development
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| +-- 4.8 作業理解(Understand What is Doable)
| | +-- Estimation
| | +-- Planning Workshop
| | +-- Real Options
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| +-- 4.9 協調と継続的改善(Stimulate Collaboration & Continuous Improvement)
| | +-- 協調ゲーム(Collaborative Games)
| | +-- 振り返り(Retrospectives)
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| +-- 4.10 節約(Avoid Waste)
| +-- Lightweight Documentation
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+-- 付録
+-- 付録A: Glossary
+-- 付録B: Bibliography
+-- 付録C: Contributors