CMMIロールは認可から認証へ

CMU/SEIでは、認可(Authorized/Authorization)と認証(Certified/Certification)を区別している。SCAMPI High Maturity Lead Appraiserは認証されたロールであり、CMMI Instructor、SCAMPI Lead Appraiserなどは認可されたロールである。SEI-AuthorizedもSEI-Certifiedも日本語では両方とも「SEI公認」と表現され使い分けられていないことが多いようだ。

CMU/SEIでは、認可(Authorization)から認証(Certification)への移行プログラムが進められている。これまでは認可であったが、徐々に認証へと移行しているのだ。その第1弾が、2006年に立ち上げられた新しいロールであるHMリードアプレイザ(SEI-Certified SCAMPI High Maturity Lead Appraiser)である。High MaturityとはCMMのレベル4〜5のことを言う。

認可(Authorization)は、SEIのトレーニングを受けた個人にSEIに代わって権限を与えること、委任することである。認証(certification)は、SEIの試験に合格した個人に証明書付きの資格を与えることである。

認可から認証への移行プログラムについては、以下のような記事があった。詳細は、http://www.sei.cmu.edu/certification/scampila.html を参照のこと。

SCAMPIリードアプレイザになるためのプロセスは、認可(Authorization)から認証(Certification)への移行が2008年10月から始まる。現時点で認可されたSCAMPIリードアプレイザ候補者は全員、筆記試験に合格することが必要となる。リードアプレイザの要件は、これまでのAuthorizationプロセスと進行中のCertificationプロセスと相違ない。

試験については、これからコミュニティからWebで公表され、イベントやコンファレンスで文書として公表される予定である。試験開発は、標準の承認、妥当性確認、実装と進められる。開発は既に始められており、5月にはSEIとコミュニティのメンバによって試験問題が作成される。問題の妥当性確認と分析が2008年秋までのアルファテスト、ベータテストで行われる。試験開始の発表は、2008年10月にバンクーバーとワシントンでのCMMIの6周年ワークショップで計画されている。

これまでの認可(authorized)のSCAMPIリードアプレイザは全員、1年以内にこの認証試験に合格しなけれればならない。期間は2008/10/13〜2009/10/31までである。SCAMPIリードアプレイザ候補者も認証試験に合格する必要がある。試験の詳細(受験料、合格基準、フォーマット、試験内容、試験のポリシーと手順など)はこれから公表される。

試験は、SCAMPIリードアプレイザやその候補者がキー領域の十分な知識と適性を持っていることを試すものである。試験領域は、SCAMPI Lead Appraiser Body of Knowledge (SLA-BOK)として定義される。SLA-BOKの内容は、適性分類(Competency Clusters)と知識領域(Knowledge Areas)の2つの範囲に分けられる。特定の適性と関連するスキルは、分類(cluster)と領域(area)のペアで定義される。