ノウハウが見えてきた

ノウハウがどんなものか、ノウハウの本質が少し見えてきた。大したことではないが、せっかくだから紹介しておく。また「なんだそんなことか。誰でも知ってる」とモデリングのプロたちや知識豊富なマネージャあたりから非難を浴びそうではある。※「ノウハウとはどんなもの?」も参照のこと。

ノウハウは、提供者から利用者に伝達される。提供者がノウハウを開発し、それを受けた利用者が活用するのである。では、ノウハウを誰に伝達すればよいかはどうやって決められるのか。まず、ノウハウには、ローカルで限定的な利用局面が設定されている。スコープといってもいい。さらに、その利用局面の中に閉じた目的を持っている。実は、提供者と利用者を結びつけるのは、この利用局面と目的なのである。これらが合致する利用者のみがノウハウを活用できる。通常、エンジニアリング的には、利用局面はタスクと呼ぶべきだろう。目的は、タスク遂行に関するなんらかの品質要件を満たすこととなる。作業効率でも成果物の完成度でもよい。

目的があるということは手段もある。やり方である。このやり方がノウハウの本体なのだ。目的と手段の関係は、戦略や施策でもお馴染みだ。言い換えると、目的と手段をペアで明示できるものは、すべてノウハウとなり得る。手法や技法、ツール利用法、ガイドラインや規約などもそうだ。

またノウハウは、それを活用すればタスクが完全に達成できるというような厳格な形式的なものではない。だから、ノウハウ同士は補完しあったり、競い合ったりしている。ノウハウは集合として蓄積し、利用者が最適なものを選択できるようにしておく必要がある。

以上である。目新しさはないが、ノウハウは利用局面、品質要件で示される目的、そして手段で構成されることが明確になった。