ITIL V3 Foundation

ITILの入門用に「ITIL V3 Foundation(ファンデーション)」という試験があることを知って、学習の1つの目標として受験してみることにした。実際のビジネスで使うものと試験で問われるものが異なることは承知しているが、何かの役には立つだろう。ITIL V3 Foundation試験は、日本ではEXINが供給していて、PROMETRICとピアソンVUEという2社で提供されているらしい。
http://www.prometric-jp.com/
http://www.vue.com/japan/
先日、私はPROMETRIC社の「EX0-101J:ITIL V3 Foundation」を申し込んだのだ。受験料は\20,160だった。どうなるか分からないので日時は伏せておく。以前CMMIの学習をしているとき、CMMI入門コースの受講の稟議を書いて却下されたことがある。20万円超は高過ぎたのだ。それに比べると、ITILは最初のハードルが実に低く設定されている。

試験に関してはネット情報でかなり得られた。4択の問題が40問あり、60分で解答する。26問正解(65点)以上で合格だ。合格率は80%以上とも90%以上とも言われていて、適切な書籍で10〜30時間ほど学習すればだいたい合格すると、どのブログや体験談にも書かれている。IT関係ではもっとも簡単な試験かもしれない。技術士などとは雲泥の差の試験なのだ。

とはいえ、申し込んだはいいがこの手の試験は久しく受けたことがないのだ。資格らしいものと言えば、大学2年のときに取った情報処理技術者2種くらいだ。今年始まったばかりのITパスポート試験に相当する程度のものだろう。就職してからの数10年間、この手のものを避け続けてきた。正確には、15年ほど前に受験した漢字能力検定1級の試験があった。いま話題(事件?)になっているところだ。それも見事に落ちたのだが。(※そのときの逸話は、結婚式のスピーチで面白く語られているので参照のこと)

ネット上にもITIL Foundationの模擬試験はあったが、翔泳社ITサービスマネジメント教科書 ITIL ファンデーション』という模擬問題付きの解説書を書店で見つけて買ってきた。しかし、ここでも失敗した。よく見ると、ちょっと古い本で、なんとV3ではなく以前のV2対応のものだったのだ。買った直後は愕然した。後でネットで確認したら、市販本としてのV3の模擬試験はまだないようだった。とりあえず、V2+α=V3だろうと信じて取り掛かることにした。この本自体は2日で読めた。

V2の内容は、開発側からみると、用語の定義や概念に異質な感じを受ける部分が多々ある。インシデント、問題とエラー、インパクトと重要度、リリースなどだ。だが、試験を受ける以上、そういった定義なのだと割り切って理解するしかない。また、構成管理に組織データを含めたり、信頼性・保守性などの概念が可用性という範囲に限定して語られたりと、開発側からの視点では出てこないものも結構ある。それらを柔軟に受け入れる必要がある。

巻末のV2の模擬試験をやってみたが、72点と85点だった。65点で合格とはいえ、V2+α=V3とすると危うい得点だ。もっと真剣に勉強しなけばならない。かなり老化しているので記憶力が悪いし、長年蓄積された先入観が異質に感じる定義を素直に受け入れにくくしているのだ。学習方法を考え直した方がいいか。V3とV2の差分を補う方法も考えなければならない。試験を申し込んだことを後悔し始めている。さらに、なぜこんな記事を書こうとしているのだ。書き始めて、この記事自体に後悔し始めた。削除すべきか、折角書いたのだから公開すべきか。