UMTP UMLモデリング技能認定L1-T2 & L2

理由はあまり公開できないのだが、UMLの試験を受ける必要があり、急遽受験してきた。UMTPのUMLモデリング技能認定L1-T2とL2の2つの試験だ。以前、ITIL V3 Foundationを受験した品川インタシティで受けてきた。PROMETRICで申し込んで、それぞれ\15,750だ。結果は、L1-T2が93点、L2が80点での合格だった。

L1-T2は40問を80分で回答し、80点が合格ライン。L2は23問(試験ごとに若干前後するらしい)を85分で回答し、65点が合格ライン。実際には、L1-T2は見直ししても50分ほどで終わり、余裕で満点かと思ったが、3問間違えていて93点だった。L2は、私が受験したケースでは23問があり、設問ごとに異なる配点と採点方法が設定されているようで何問に正解したかは不明だが、全く余裕はなかった。時間は見直しを丁寧にやっていると足らないかもしれない。85分の5分前にポップアップが出てくるまで見直しをやったし、それでも70点くらいの合格ぎりぎりだろうという感覚だった。

L1-T2に相当する試験は、以前オージス総研が行っていた「UML認定ブロンズ(?)」という試験だった。実はかつて受けて合格したことがあり、認定書も一時期持っていたはずだが、引越や転職などでどこに行ったか分からないし、UMTPに継承されているかどうかも分からない。UMTPのL1-T2,L2,L3,L4はグレード制になっていて、下位レベルに合格していないと上位レベルに受かっても認定されないというモデルなのだ。仕方ないので、L1-T2も合わせて受験したという経緯なのだ。

L2の問題ついて、参考までに思い出してみる。細かいことまで書くとまずいだろうからキーワードだけだ。


■UPの4つのフェーズの目的
■ビジネスモデリング、要求、分析、設計モデリングの説明
UMLの利用局面(スパイラルでは使ってはいけない?など)
■受注と在庫引当に関する2題(ユースケース図)
■会議室予約での社員、会議室、予約、予約台帳の関係(クラス図)
■上司と部下の関係に関する2題(クラス図)
■経路・路線・駅で営業キロから料金を求める2題(クラス図+シーケンス図)
■クラスの依存関係とパッケージの切り方2題(パッケージ図)
■発注が輸出入審査を伴う処理のために保留されるプロセス(アクティビティ図)
■宅配でのセンター配送と宛名不備時の返送(アクティビティ図)
■受注・製造・検査・入庫の流れに関するステートマシン図
■支社リスト・支社・製品リスト・製品・在庫の関係2題(クラス図+シーケンス図)
■会議室予約に伴う資産(プロジェクタなど)予約に関する2題(シーケンス図)
L2の問題は、実際の業務にありそうなエッセンスを扱っていて、ビジネス系の実務でモデリングしたことがあれば馴染みのあるテーマばかりだった。UMLは表記法だが、それを適用する開発プロセスや原理原則に関するものも包含しているようだった。例えば、UPのフェーズ(方向付け、推敲、作成、移行)や、ウォーターフォール・反復・スパイラルといったライフサイクルモデル、またビジネスモデリング、要求モデリング、分析モデリング、設計モデリングといった活動、また再利用性(疎結合)といった原則にも触れられていた。

なお、今回参考とした書籍は以下の1冊のみだ。


■「UMLモデリング技能認定試験L2」(インプレス)
俗に黒本といわれているらしいこの模擬問題集では70%くらいしか正答できなかったのだが、実際のL2の問題はこれより全体的に易しかったといえる。特にユースケース図、クラス図、ステートマシン図に関する問題は簡単だった。黒本はバリエーションが豊富なので、試験にはかなり有効だと確認できた。ただし、モデリングの目的や説明を選択させる問題などは、実際のものの方が問題文や選択肢の表現が長くて分かりにくい傾向があると思った。

実際の問題では、コンポーネント図、コミュニケーション図が1題も出ていなかった。クラス図でも多重度を厳密に問うものもなかったし、ステートマシン図もガード条件や定番の履歴を問うものもなかった。ユースケースも<>のみで<>は問われていなかった。これらは、たまたまかも知れないので黒本をベースにした方が無難だろう。上位レベルのL3やL4がどんな内容のものかは知らないのだが、もしかするとそれらとのバランスの関係でL2が全体的に易しくなってきているのかもしれない。L3,L4の内容は把握していないが、今日の感触ではまだL3のレベルには自信がない。

おまけだが、L2では、ドラッグ&ドロップの操作でダイアグラム中の穴埋めを行うものや選択肢を結びつけるものなどがあり、これまでラジオボタンチェックボックスのインタフェースしか体験していなかったので、いきなり第1問で慌てさせられてしまった。どうやって回答/操作するのかが分からず、ガイドやヘルプがどこかにあるのかと回りを探したりした。第1問はUPの4つのフェーズの目的を結びつける問題だったが、パッとみただけですぐ正解がわかったが、ドラッグ&ドロップに気づくのに3分以上かかったかもしれない。実際には、他の問題をめくってみて、ドラッグ&ドロップ以外にないだろうと気づいて戻ってきてやっと回答したのだ。