CMMIアプレイザルの実態#2
久々にCMMIアプレイザル(Appraisal)の実態について調べてみた。CMMIは本当に人気があるのか、成熟度の認定を受けようとする会社はいまだにあるのか。すくなくともこの経済状況では、CMMIアプレイザルに莫大なお金を投資しようというところは減少しているだろうと思えたからだ。
まず、アプレイザ(Appraiser)などはどれだけ増えているのか。CMU/SEIが認定しているCMMI関係の資格と全登録者数と日本人の登録数を調べてみた。各Roleの末尾の数字は、2009/01/08時点の日本人の登録数と全登録者数だ。昨年2008/04/25時点の日本人の登録数と全登録者数の情報も添えているので8ヶ月間での増分が分かる。SEIパートナー会社は、http://partner-directory.sei.cmu.edu/ から検索でき、登録者は http://partner-directory.sei.cmu.edu/search_auth.cfm/ から検索できる。2008/04/25時点の情報は、CMMIアプレイザルの実態#1を参照のこと。8ヶ月ぶりに覗いてみたことになる。
Authorized Professional Role: | +-- CMMI-DEV | +-- CMMI Instructor V1.2 (33/439←30/436) | +-- SCAMPI Lead Appraiser V1.2 (38/497←37/488) | +-- SCAMPI B&C Team Leader V1.2 (36/506←35/480) | +-- SCAMPI High Maturity Lead Appraiser (7/148←5/138) | +-- CMMI-ACQ | +-- CMMI V1.2 Instructor (0/45←0/19) | +-- SCAMPI Lead Appraiser for Acqusition (0/42←0/7) | +-- SCAMPI B&C Team Leader for Acqusition (0/42←0/7) | +-- CMMI-SVC +-- まだ公開されていない
日本人では、Instructorが3人増え、Appraiserが1人増えている。成熟度レベル4〜5を扱えるHigh Maturity Lead Appraiserには2人が昇格している。(※登録日が参照できないので、昨年2008/04/25時点で見落としていた可能性もあるかもしれない。)
SCAMPI Lead AppraiserはCMMIのレベル判定が行えるアプレイザルの資格であり、クラスAと呼ばれる。それに対し、クラスB,CはB&C Team Leaderとよび、CMMIとのギャップ分析(簡易的なアプレイザル)は行えるがレベル判定は行えない。CMMI InstructorはCMMI入門コースを実施できる資格だ。CMMI-ACQについては、まだ日本人はいないようだ。
会社ごとに登録者数を見ておく。会社数に変化はなく、NTTデータに2人、三菱電機に1人の増員があるだけのようだ。
登録 Appraiser Instructor TeamLeader
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次に、実際にどれだけの会社がアプレイザルを受け、CMMIのレベルが認定されたのかという統計を見てみる。登録は任意なので実数ではないが、参考にはなる。2005/03から2008/09までの半年ごとの日本でアプレイザルを受けた企業の数になる。
登録数(日本) 半年での増分
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伸び率にさほど変化はない。毎年、半年で24社くらいがコンスタントにアプレイザルを受けてレベル認定されていることになる。
結論としては、日本でのCMMIの成熟度レベル認定を受ける企業数の伸び率にさほど変化はないようだ。ちなみにアジア全体では伸びているらしい。特に中国やインドで人気のようだ。詳細は、http://www.sei.cmu.edu/appraisal-program/profile/profile.html を参照のこと。また、CMMIのInstructorやAppraiserは供給過多なのかもしれず、新たに資格を取得しようとするものは少ないように見える。確かにSCAMPI Lead Appraiserに認証されるまでには、試算したところでは、2〜3年間くらい、1,000万円くらいの投資が必要になり、投資対効果を考えるとハードルは高い。