ITIL V3 FoundationのシラバスV4.3の日本語要約。
全く目新しい情報ではないのだが、ITIL V3 Foundationのシラバスが更新されていることに今頃気付いた。シラバスの最新版はV4.3だ。2010/05のリリースなので1年前に改訂されている。といっても、全く慌てることはない。
シラバスV4.2は、以前、要約を訳して個人的に公開していた。それをV4.3の記述に合わせて修正しておいた。内容的には全く変更はないといってもいい。ただ、バージョンとリリース日を修正した程度だ。何度もいうが、しかも1年前の情報だし、どうでもいい情報だ。ITIL V3 Foundationのシラバスの原本は、OGCのWebサイトからダウンロードできる。以下のURLだ。要約(日本語)も以下に置いた。興味があれば参照してみて欲しい。
OGCのサイトからV4.3をダウンロード: シラバスV4.3原本
要約を訳したもの: シラバスV4.3要約(日本語)
要約では、V3.xからV4.3への差分、またV4.2からV4.3への差分を解説しておいた。何度もいうが、V4.2からV4.3への進化では、学習項目に変化はない。試験の実施要綱にどうでもいい変更が1つあっただけだ。ネイティブでない言語で受験する場合、辞書の持込が可能で60分の制限時間を75分に延長できるとあった。日本人には全く関係のないことだった。この程度で改訂するなと言いたい。
シラバスV4.0は、2008/12にリリースされており、それからV4.3まで進化しているが、大した変更は行われていない。2年半以上、安定していると言える。以前2009/07にITIL V3 Foundationを受けたときは、ちょうどテストセンター(プロメトリックなど)で実施される試験が、半年遅れでシラバスV3.xからV4.xに変わるタイミングだった。どちらのシラバスで出題されるかが悩ましい時期だったことを思い出す。
私もITIL V3関係のいくつかの市販本を持ってはいるが、V3.1時代のものばかりだ。V4.0が出てから2年半経過しているのに対応した市販本は少ないのだろうか。演習問題付きの教科書本もV3.1対応と古い。V3.1とV4.xとの差で顕著な部分を挙げておく。古いV3.1対応の教科書本などで学習される場合には、注意したほうがいいだろう。主な変更箇所は、以下のとおりだ。重要なものを(■)で、軽微なものを(□)でマークしておておく。
- (□)サービスモデル、サービスVモデルが除外された。
- (□)サービスソーシングの種類が除外された。
- (□)運用での相反する要件(矛盾するバランス)が除外された。
- (■)サービスポートフォリオ管理のプロセスとしての扱いは除外された。
- (■)継続的サービス改善の7つのステップが除外された。
- (□)各ステージでのツール導入での要件が除外された。
- (□)ユーザープロファイルが追加された。
- (■)SLAMチャートが追加された。
- (□)サービス資産、リリースポリシーが追加された。
- (■)知識管理のプロセスが明示された。
情報は以上だ。何度もいうが、V4.3のリリースは1年前のことであり、しかも大した改訂はなかったので、戸惑うことはない。ただ、自前のシラバスの要約を若干手直ししただけのことだ。